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  4. 2019.10.15
首相の所信表明演説
百年前に戻るが、今には無策
 臨時国会が開会した。冒頭の安倍晋三首相の所信表明演説は、無内容な中に毒がある。少子高齢化対策、地方創生では、深刻な現実をすべて素通りし、外交・安全保障では陰険に韓国だけを叩き、憲法では前時代的妄言を弄した。
 
 「最大の挑戦」は少子高齢化と言うが、「70年ぶりの大改革」と誇示したのは幼保無償化。安全への危惧や施設と職員不足への無策という根幹は触れない。

 化けの皮はがれ れいわの船後靖彦参院議員を「友人」と持ち上げたが、山本太郎代表から厚労委に1議席を求めたのを断られたことを暴露され、化けの皮がはがれた。

 目玉とする「全世代型社会保障」も70歳まで働かせるために、予防に重点の医療・介護を充実するというもの。要するに医療・介護の世話にならずギリギリまで自助努力せよということだ。

 本心は消費税の再引上げと一体の「社会保障改革」だろうが、改憲達成まで封印しただけだ。

 「成長戦略」については、最大限の財政・金融政策でも企業の活性化による不況打開は実現できず、税による最低保障年金をはじめ需要サイドに金を回すべきなのに、真逆の消費増税をして経済は一層深刻となっている。だから実効性の疑わしい「就職氷河期世代への就労支援」くらいしか語れない。

 日米貿易交渉の不利は「農家の不安に向き合い」などと隠せず、弁解にベトナムやヨーロッパへの農畜産物輸出増大を持ち出しただけ。福島原発事故に伴う避難者支援の非道な打切りや汚染水「放出」、原発マネー還流などには一切ふれず、「外交努力で規制緩和したから福島県農産品輸出は4割増加した」などと語る。

 消費税には、教育無償化、軽減税率、プレミアム商品券、自動車・住宅購入の減税などで、任期中の対策だけは十分と言わんばかりだ。

 「新味」は外交・安保政策と憲法だ。まず「自由貿易の旗手」を強調しながら、韓国への輸出規制の説明はしない。

 「日中新時代」を謳い、「条件を付けずに金正恩委員長と向き合う」としながら、文在寅大統領とは「国と国との約束の順守」と口も利かないダブルスタンダード。戦後最悪の日韓関係という事実には一切触れない異様さだ。

 史実知る確信犯 最たる安倍流は憲法だ。パリ講和会議で日本は「人種平等」を提案し、「欧米植民地が広がっていた当時、反対にさらされた」が、提案が「国際人権規約の基本原則」になったと訓示。先人に見習い「この国の目指す形、その理想を掲げるべき時」で「国創りの理想を憲法審査会で議論を」と結んだ。

 百年前の日本は台湾、朝鮮を植民地とし、アジアの盟主として「大東亜共栄」をめざし始めていたのではなかったか。この史実を知らずに語るはずはない。知っていて語ったのなら、大日本帝国主義の確信犯だ。
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