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2018.07.24
成長しないかく
官僚たちの冬
 7月9日の経済財政諮問会議に内閣府は、「中長期の経済財政に関する試算」(以下「試算」) を提出した。この試算は2013年の夏以来、年初と年央に毎年出されており、今回で11回目となる。

 安倍首相が当初からぶちあげ、今でも取り下げていない目標に、「名目3%、実質2%のGDP(国内総生産)成長率を目指す」がある。だが13年度を除いてこの目標は一向に達成されない。実質値の実績は14年度がマイナス0・3%、15 年度が1・4%、16年度が1・2%、17年度が1・6%だった。

 では最初に出された13年夏の試算はどうだったのか? 安倍にへつらう「経済再生ケース」では、13年から22年度平均で2・1%としていた。他方、それまでの趨勢をふまえた「参考ケース」では1・2%だった。その後の実績は、ほぼこの数値に近い。

 さて今回の試算やいかに。安倍に忖度する「成長実現ケース」では実質成長率は2%に向けて緩やかに上昇し、20年度頃に名目GDP600兆円は達成される、とする。一方、ベースラインケースでの実質成長率は1%強であり、600兆円達成年度は明記されていない。

 安倍は、「20年頃までに名目GDP600兆円達成」を15年秋から加えた。これに応えるかのように政府はGDPの算出方法を16 年末に大幅に変更し、特に近年のGDPに手厚く、30兆円程かさ上げした。その甲斐あって17年度の名目GDPは546兆円。 だが、600兆円にはまだ足りないのでさらなるかさ上げ検討作業が続く。

 安倍首相の揚げるアドバルーンに振り回される官僚の心境やいかに。

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