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2018.06.19
辛淑玉連載 たんこぶ希望は冷戦時代てか
連載第536回
 
  そのポスターの中には、母娘を囲むように武器を持った男たちが描かれている。一人はイスラム過激派風、一人は金正恩風、一人は習近平風、さらにプーチン風の人物も。そこに「お母さん、なんで憲法を変えるの?」「あなたたちを守るためよ」と書かれていた。
 バカじゃなかろうか。そういえば、安倍は歴史的米朝会談がトランプによってキャンセルされそうになったとき、いの一番で支持を表明した。世界中でただ一人戦争状態の継続を支持したその姿に、安倍政権は明治というより米ソ冷戦時代に戻りたいのだろうなぁ、と思った。
 米ソ間に危機があった頃は、朝鮮戦争、ベトナム戦争、湾岸戦争などで大いに儲けることができた。冷戦の中で開催したオリンピックで経済発展を遂げ、大阪万博で日本は世界に肩を並べたと自信を持てた。しかし今の日本は、相対的貧困率は先進国最悪、長時間労働でタダ働き、そして過労死が続出している。アベノミクスの成果で貯蓄ゼロ世帯は466万世帯に増え、素人目にも成長などあり得ないことがわかる。
 一方で、あんなに見下していた中国は世界経済を席巻する勢いである。すでに世界の観光地では中国語のガイドブックがメインとなり、日本語のそれはほとんどない。米国の一流大学への留学生の数を見ても、知識人社会における米中接近は凄まじい。日本が台頭する余地などもうどこにもないのだ。
 可能性がゼロだからこそ、冷戦時代に戻ればまたいい目が見られるのではないかという幻想が湧いてきて、二度目の東京オリンピックにしがみつき、大阪万博まで口にする。
 しかし、外部の敵役として上記4人のアイコンを揃えても、国内の「敵」だった左翼はもういない。だのに、日本青年会議所のボンボンたちが憎悪にかられて執拗に左翼叩きをする姿は、もうカルトそのものだ。
 彼らには「サヨク」がどうしても必要なのだ。安倍が国会で「ニッキョーソ!ニッキョーソ!」と叫び、一般市民を「こんな人達に負ける訳にはいかない」と指差す姿は、まさに、サヨクを必要とする彼らの心の叫びなのだろう。


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