新社会党トップへ
  1. トップ
  2. 週刊新社会 >2019.10.15

辛淑玉連載 たんこぶ
自己愛でいっぱい
連載第599回
 15年前、米国の日本研究者は、「日本はアメリカに酷いことをされればされるほどアメリカを尊敬する国だ」と言い切っていた。

 農産物交渉でもアメリカの余剰トウモロコシを言いなりで購入し、すでにITとドローンで戦争のあり方自体が変わったにもかかわらず、アメリカで不要になったオスプレイをはじめ、ポンコツ兵器を税金で大量購入している。しかも、定価より高く。

 世界経済からは取り残され、報道の自由も先進国最下位を驀進、表現の自由さえ弾圧するその安倍政権を、日本の有権者は支持している。肉屋を支持する豚のように。

 安倍政権がやっていることはナショナリズムではない。自己愛そのものだ。自分を奉る者を寵愛し登用し金を分け与える。人々はこぼれ落ちたパンくずを奪い合う。低開発独裁国家の姿そのままである。

 16歳のスウェーデン人環境活動家グレタが、環境問題の解決を先送りして金ばかり追いかけている世界中の大人を国連で「Howdare you(よくもそんなことを、どの面下げて言うんだ、の意)」と批判すると、ネトウヨの冷笑がSNSに湧き出た。権力に逆らえない己の惨めな姿を見せつけられることへの脊髄反射である。

 安倍とその支持者に共通しているのは、いつも「自己愛」だ。オレを理解してくれ、オレだけを見てくれ、オレは立派なんだ、オレだけが正しいんだと叫び続ける姿は、劣等感の裏返し、病的な承認願望だ。

 先日、都内のお寺がフレンチの精進料理を出しているというニュースがあった。寺に足を運ぶ人がいなくなったので、もっとお寺を知ってもらおうとの苦肉の策らしい。

 酔っ払った客たちが、荘厳な仏像に囲まれながら嬉しそうにフレンチを堪能する姿を称賛する内容に、一緒に見ていたドイツの友人は笑った。少なくとも、ドイツの教会で提供される食事は、生きることが困難な人たちのためにある。

 落ちたパンくずの分捕り合戦をしても明日はない。いわんや冷笑など、負け犬の遠吠えでしかない。

 さて、あなたはどうするのか。



 ↑上にもどる
トップへ