新社会党トップへ
  1. トップ
  2. 週刊新社会
  3. たんこぶ
2018.09.25
辛淑玉連載 たんこぶ抗える最後の手段は選挙 

連載第549回
 
  池澤夏樹さんが「誰も言わないから言っておく。官公庁がこぞって身体障害者の雇用数をごまかすような国にパラリンピックを開催する資格はない」とコラムに書いていた。

 ヘイトもあるし、関東大震災時の朝鮮人虐殺も認めない東京都での開催となれば、なおのことだろう。

 しかし、政府も都もビクともしない。

 公文書偽造でさえ検察は立件せず、そのうえ今度は、証拠が残らないよう政治家の発言は文書に記録しないというのだから、どこまでも傲慢だ。

 抗うべきジャーナリズムの姿は見えず、抵抗する労組は徹底的に弾圧され、政権批判は与党内部でもタブーとされている。総裁選では、忠誠を誓う「血判状」まで求める始末。

 野田聖子が転んだのは、彼女が郵政選挙で小泉に嫌がらせで対抗馬を出されても議席を勝ち取ったような、政治家としての意地を見せる時代は終わったということなのだろう。なにしろ石破茂がまともに見えるくらいなのだから、私の感覚もおかしくなっている。

 沖縄県知事選では大量のデマが飛び交い、国家総動員で故翁長さんの意思を踏みにじろうとしている。しかし、沖縄がいったい、どれほどのことを望んだと言うのだろうか。ただ、ただ、沖縄ばかり負担が重すぎませんか、少しは本土も負担してくれませんか、「日本の国防」なのだから、と言っているだけなのに。非暴力によるナチスへの抵抗運動「白バラ」の主要メンバーとして逮捕されたゾフィー・ショルは、逮捕のわずか4日後に、21歳の若さで処刑された。彼女は裁判で堂々とヒトラーを批判し、自分が殺されれば人々は怒り、抗議のうねりが大きくなると最後まで確信していた。

 残念ながら、他の人たちはゾフィーを非難することで生き延びた。人間は弱い。簡単に権力になびく。権力は暴力装置だからだ。だから、生き延びるために、なびかざるを得なくなる。

 でもね、選挙なら、まだ闘えるんだ。一票があるということは、未来を作れるということだ。その力は、在日である私にはないが、「国民」であるあなたにはある。



 ↑上にもどる
トップへ

週刊新社会トップへ