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森喜朗・東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会会長の女性蔑視発言に抗議し、差別と偏見をなくし民主主義を深めよう

2021/02/08
 「女性が多い会議は時間がかかる」という森オリ・パラ組織委会長の発言に対し、国内外から批判が集中している。当然だ。ことの本質を掘り下げさせずに辞任・幕引きを図る類ではなく、差別を認識しないトップを擁護する組織や社会風土そのものに視点を据えて、「差別を黙認しない、黙っていないで変えていこう」と呼びかける声となっている。

 発言は、JOC評議員会議という差別を許さず多様性を重視するオリンピック憲章の実践を追求する公式の会議の場で行われたものだが、会場に笑い声が聞こえたが叱責する意見はなかったと報道されている。拡がる批判の声は、このような状態を作り、許している組織や社会風土そのものを変えるために「声をあげよう」と呼びかけている。

 今や世界では国会や自治体議会で女性が半数を占める国は珍しくない。企業社会でも経営者や女性管理職は急速に増えている。その結果として政治や企業活動が滞ったどころか、性差別を許さないための制度化を進めることによって、多様な性や民族などの社会・政治参加が拡がり、民主主義が深まっているといっても過言ではない。

 1億総活躍、女性活躍とスローガンを掲げるだけで、それを推進するための制度改革を何一つ実践しなかったジェンダー指数世界第121位の日本社会の現状を、森発言は反映している。

 「言っても変わらない」とあきらめて黙認することの多い日常の差別。だが、諦めた分だけ差別解消は遠のく。差別や偏見を黙殺する社会にしないために一緒に取り組んでいこう。