TOPICS

小林勝・労契法20条裁判 控訴審で不当判決・門前払い

2020/06/24
小林勝さんの裁判闘争を支援する会

2016年11月1日に提訴したこの裁判闘争は3年と7カ月を経て、本日6月24日(水)午後、控訴審判決日を向かえた。

 昨年の5月30日の東京地裁における判決は、主文、次のとおり言い渡されました。

1.原告の請求をいずれも棄却する。
2.訴訟費用(補助参加によって生じたものを含む。)は、原告の負担とする

 本日の東京高裁判決主文(白井幸夫裁判長)は、単にこれの上書きに過ぎぬものであった。すなわち、次のとおりです。

1. 本件控訴を棄却する・
2.  控訴費用(補助参加によって生じたものを含む)は、控訴人の負担とする。

 白井幸夫判決理由は昨年の東京地裁・江原健志判決をことごとく追認・踏襲した上、更に弁護団が控訴審で追加した補充的主張=「信義則上の付随義務=『労働条件均衡配慮義務』違反」の指摘についても全面的に否定した。詳細は‪後日‬の弁護団声明に譲るが、とりあえず次の2点だけは報告しておきます。

1. 『労働条件均衡配慮義務』違反、つまり控訴人・小林勝が他の非常勤講師の勤務実態とは著しくことなり、専任教員と同等かそれ以上の担当科目や担当コマ数を担ってきた実態について。一審判決と同様、それは本人が「合意したところに基づくもの」に過ぎず、均衡待遇の理由とはならない、としたこと。

2. 控訴人が、当時の法学部長たちが専任化に期待を持たせるような言動をしていたと主張することは、一審判決も認めたとおり否定はできないが、それは大学側の総意に基づくものになっておらず、小林がそのような期待を抱いたとしても、それはあくまでも「主観的なものにとどまる」。

というのである。要するに、他人の言動はその人間がどのような地位にあるかにかかわらず、信用してはいけない、ダマされた方が悪いと言うのである。ここには使用者と被雇用者としての非常勤講師との立場上の優劣など、一顧だにされていない。そして、賞与はおろか、諸手当についても請求を一蹴した。全くの反動判決という他はない。

 この東京高裁判決はもともと4月に予定されていたものだが、新型コロナの影響で本日となった。この間、中央学院大学は学生の構内立ち入りを禁止し遠隔授業を実施、当支援する会の行動や労働組合の団体交渉も手控えざるをえなかった。それを良いことにして、大学側はこの判決公判に、弁護士も含め一人も列席しなかった。判決はわずか数秒で言い渡され、傍聴席からは怒りの声が挙がったことは言うまでもない。私たちはこの屈辱を忘れません。

 終了後、小林勝氏は上告の意向を表明し、「少なくとも地裁の裁判官は当初、『小林専任化による解決がベスト』としたことは一度目のサプライズだったが、出された判決はゼロ回答という2度目のサプライズだった」と振り返った。その上で「現在の司法制度のあり方を暴露し、糺すのも闘いの一つの目標」と表明した。

「これまで温かいご支援に厚く御礼申し上げます。なお、上告して争うことになります。今しばらく、ご支援を宜しくお願いいたします」のコメントも寄せられた。闘いはまだ終わりません!