今週の新社会

様変わり国会
熟議で応えよ

2024/11/27
9条改憲NO!と訴えるウィメンズアクション=11月14日、東京有楽町駅前で

予算委など重要委員長 野党が獲得
 

    総選挙を受けて11月11日から4日間開かれた第215特別国会で、石破茂氏が決選投票の末に首相に選出され第二次石破政権が発足した。少数与党の国会は様変わりし、衆院予算委員長に立憲の安住淳前国対委員長、憲法審査会長に枝野幸男元立憲代表が就任した。28日から約1カ月間の臨時国会は、立憲野党の存在感を発揮することが期待される。 

    国民が裏金政治への不信を突き付けた総選挙の結果は、衆院の構成に大きな変化を起こした。常任、特別委委員長や審査会会長の人選も様変わり。全24委員長のうち22を占めていた自民は12、公明は1と激減。野党は常任委員会17のうち7、特別委員会7つのうち4つで委員長ポストを獲得した。 

    中でも、予算など国政全般を議論する予算委員長に安住氏が就任したことで審議の充実が期待される。今後自公政権に代わる連立政権の成否を占うとも言える。予算委員会を含めて形だけの議論に終わらせず、熟議を重ねて主権者の納得できる議論ができるか否かが、政治の信頼を取り戻すキーポイントだ。 

    特に裏金・金権政治打破は、総選挙で国政に負託された1丁目1番地。出だしはキャスティングボートを握るとされる国民民主の取り込みを図る自民の戦術で「年収の壁」が焦点化された。 

    ただ、基礎控除を大幅に引き上げるため、7~8兆円の財源不足が見込まれ、大きな減収となる自治体からは猛反発が出ている。国民民主も、この間一人勝ちして巨額の利益をため込んできた大企業や富裕層に応分の負担を求め、消費税導入以来の税制の歪みを正すべきだ。 

    一方、28日から始まる臨時国会で、裏金問題の解明、政党から政党幹部に渡る政策活動費の廃止、企業団体献金廃止の道筋を示すことが最大の課題だ。 企業団体献金廃止は政党交付金導入の前提。二重取りは放置できず、大企業による政治の買収、政治の歪みは許されない。国民民主の「全党賛成」の前提は、企業団体献金死守の自民を助ける。 

    また、立憲民主の要求で同党の西村智奈美氏が委員長となった法務委は、国連女性差別撤廃委員会が重ねて政府に勧告している民法改正・選択的夫婦別姓問題を扱い、野党が繰り返し提出している法案審議が期待できる。