今週の新社会

通常国会が開会 夏に都議選と参院選
更なる転換へ

2025/02/05
軍拡反対、選択的夫婦別姓の実現など求めて声を
上げる国会開会集会=1月24日、議員会館前


自民党政治との決別へ
市民と立憲野党は力を


     第217通常国会が1月24日、6月22日まで150日間の会期で始まった。参院選は会期延長がなければ7月20日の投票が見込まれ、東京都議選の投票日は会期末の22日。総選挙で開いた自民党政治から決別への道を決定づけるため、市民と立憲野党の院内外での闘いが問われる。

  「楽しい日本」をめざすという石破茂首相の施政方針演説に、「今の日本から最も遠い言葉」で「怒るとか呆れるといった次元を通り越して、ただただ暗い気持ちになった」とする本紙「ひとこと」への投稿が届いた。 

    民主主義の根幹である政治への信頼回復に背を向け、政治を金で買う企業・団体献金の温存を図る自民党は政党交付金と二重取りし、さらに裏金で三重取りしていた。 

    社会的コスト負担を嫌うグローバル大企業が政策を金で買う政治を止めさせなくては、雇用や社会保障の機能不全は払拭できない。 

   そもそも「楽しい日本」をつくる25年度予算案になっているのか。食糧自給率やエネルギー自給率を上げると言いながら、それを担保する農林水産予算はなく、自給できるエネルギーの太陽光発電などへの転換を遅らせた反省はない。「地方創生2・0」やそれに基づく「令和の列島改造」の大言壮語の裏付けはない。重点配分で突出を続けるのは軍拡予算だけだ。 

    演説ににじむ首相の低姿勢も予算成立のため。「年収の壁」で国民民主を、大阪関西万博や高校無償化等で維新を取り込めば予算成立が開け、憲法改悪へ国民、維新とタッグを組める。 

    外交では逮捕された尹錫悦統領と日本に都合良く転換した日韓関係の維持を図り、中国とは主張すべきことは主張するとする一方、トランプ米大統領には唯々諾々と、日米同盟をさらなる高みに引き上げると表明。アジアの平和に背を向ける。 

 これに対し、総がかり行動実行委などが議員会館前で開会日集会を開き、立憲民主、共産、社民の国会議員や市民団体が石破政治の危険性を訴え、選択的夫婦別姓の成立や、参院選で更なる政治転換へ気勢を上げた。