今週の新社会

辺野古新基地「変更」不承認 知事決定を支持
工事を中止せよ 全国で運動広がる

2021/12/08
玉城知事の〝設計変更不承認”支持と沖縄連帯で
200人余が衆議院第二議員会館前に集まった

=11月26日、東京・永田町 

 玉城デニー沖縄県知事は11月25日、政府・防衛省が県に提出していた辺野古新基地建設の設計変更申請の不承認を決定した。決定に沖縄をはじめ全国各地で不承認を支持し、基地建設中止を求める運動が展開されている。新社会党は、知事決定を断固支持する「党声明」を出した。 

  沖縄県民の民意と法にのっとって辺野古に新基地を造らせない姿勢を貫いてきた翁長・玉城県政に対して政府・防衛省は法の解釈をねじ曲げ裁判所まで動員して工事を強行してきた。このため玉城知事は、20年4月の沖縄防衛局の設計変更申請から時間をかけてあらゆる検討を行った。 

  防衛局に対し、公有水面埋立法の適合状況を確認するため、延べ39項目・452件の質問を行った結果、環境保全、災害防止等の要件と適合せず、滑走路予定地の大浦湾の軟弱地盤の調査もされていないとした。また、普天間飛行場の危険性の除去につながらないと結論づけた。 

  不承認表明の記者会見で玉城知事は、先の大戦で犠牲となった戦没者の遺骨が眠る土砂が埋立てに使われることについて、法を超えた全国民的課題であり、人道上許されないと力を込めた。 

  知事は、最後に大浦湾の埋立てができないことで工事は完成できないとし、防衛局が着手前に十分な地盤調査をしなかったことが決定的で、これ以上工事を行うことは許されないと中止を求めた。 

  知事決定について、土砂全協首都圏グループの毛利孝雄さんは、「知事の『不承認表明』の発表記者会見は明快だった。全国の問題であることも協調した。様々な圧力と困難を越えての決断に心より敬意を表したい。沖縄の置かれた現実と苦悩を我がこととして受け止め、政府に辺野古断念を迫りたい」とコメントした。 

  知事の不承認表明翌27日には、辺野古新基地を造らせないオール沖縄会議が沖縄県庁前で緊急支援集会を開き、「知事の不承認支持」などのボードを掲げた。 

  国会前でも辺野古への基地建設を許さない実行委員会主催で約200人が集まり、知事決定支持を訴え、工事中止を求めた。 

  オール沖縄会議の福元勇司事務局次長は国会前集会にメッセージを寄せ、沖縄県民の民意を無視する国の姿勢に民主主義の崩壊が見えると指摘。一方、サンゴ移植裁判で最高裁判事のうち2人が知事の処分を認めたと運動による希望を語った。 

  この日、札幌や名古屋など全国各地で連帯集会が開かれた。