今週の新社会

再稼働を許すな!
炎天下の現地で抗議行動
電力ひっ迫に乗じる関電

2022/08/10
炎天下の福井県美浜町内を「美浜3号機を廃炉に!」と訴えてデモ行進=7月24日

稼働40年超えの美浜原発3号機


   関西電力は、火力発電所の休廃止などで電力需給がひっ迫していることに乗じて「40年停止」の法律を踏み破り、美浜原発3号機(福井県美浜町)を8月上旬に再稼働させようとしている。しかも、10月予定の繰り上げだ。 

   これに対して7月24日、美浜町の原発を望む菅浜・弁天崎で開かれた「老朽原発・美浜3号うごかすな! 現地全国集会」に酷暑とコロナ感染第七波の中を300人が4時間の行動に結集した。 

   主催は一昨年来、大阪市内で大集会を開いてきた「老朽原発うごかすな!実行委員会」で、地元福井県をはじめ関西各地、四国、東海、関東の原発立地地域や首都圏などから市民が参加、集会は「老朽原発再稼働許すまじ!」の熱気に溢れた。 
  
    司会の山本雅彦さんは、「美浜3号機で5年間働いていた。事故で人が亡くなっても、『安全対策にそんなお金をかけるわけにはいかない』というのが関電だ。美浜3号機を止めることが安全対策」と開会挨拶した。 

    主催者挨拶した中嶌哲演さんは、「美浜原発1、2号機は40年で廃炉にされたが、3号機は40年を超えて動かそうとしている。美浜3号機はヒロシマの死の灰800発分、ナガサキ原爆20発分のプルトニウムを蓄積している。こんなことをもう許すわけにはいかない」と力説した。 

    美浜町で原発反対派として頑張る松下照幸町議は「若狭・福井の自然を何としても守り切ろう」と挨拶。各地の闘いから連帯挨拶があり、「さいなら原発・びわこネットワーク」のメンバーで福島県相馬市から避難している青田恵子さんが、「福島県民は福島第一原発事故で身をもって原発の恐ろしさを示した。ぜひこのことに学んでほしい」と訴えた。   

    集会をシュプレヒコールで締めくくり、参加者は美浜町役場裏に移動してデモ行進、関電原発事業本部の前で抗議行動。実行委員会の橋田秀美さんが関電会長らへの「申し入れ書」を力強く読み上げ、木原壯林さんと事業本部に提出に向かった。 

   美浜町の河本猛町議の挨拶の後、地元や各地の参加者の決意表明、協力要請などがあり、「関電は美浜原発3号機を絶対うごかすな!」「2カ月半前倒し再稼働を許すな!」「原発事故で避難などできないぞ!」とシュプレヒコールし、町内デモをした。(さいなら原発・びわこネットワーク 稲村守)