今週の新社会

有事を想定
沖縄・先島に避難シェルター
再び戦場にするな!
「命ぬちどぅ宝の会」が緊急集会

2022/10/19
「ノーモア沖縄戦 命どぅ宝の会」が沖縄県庁前で開いた「緊急集会」では横断幕に「まじめに平和外交を行え!」  
の文字が躍った=9月19日、那覇市内、写真は会のHPより



 『沖縄タイムス』9月16日付1面に、「先島に避難シェルター 政府検討 有事を想定 石垣市など複数候補地」と見出しが躍った。 政府が台湾海峡有事を想定し、沖縄県先島諸島の避難場所確保のため、年末に改定する「国家安全保障戦略」に避難シェルター設置を明記する方向と報じたものだ。 

  南西諸島には離島防衛目的で自衛隊の基地配備が進む。有事には米軍と一体で運用される。それに伴い、政府は住民避難を想定せざるを得なくなった。これは「原発稼働と避難計画」と同じ構図で、基地周辺(だけではないが)住民の犠牲を想定した戦争準備だ。 

  犠牲を押し付けられる沖縄では、「ノーモア沖縄戦 命ぬちどぅ宝の会」(共同代表=山城博治さん、ダグラス・スミスさんら5名)は9月19日、県庁前の県民広場で「避難シェルターいらない! ミサイル基地いらない! 緊急集会」を開いた。 

  集会は「シェルター設置は戦争準備だ! 沖縄を再び戦場にすることを許さん! 真面目に平和外交を行え!」と横断幕を掲げ、山城さんは「シェルター造る前に外交やれ。北京に行け。アメリカに行け」「バイデン、耳をこじ開けて聞け。ここはあなたがたのものではない」と訴えた。 

  同会共同代表の具志堅隆松さんは、「(沖縄県は)事態を見守るのではなく、県民大会を開き行動することだ」と訴えた。 

  参加者は、「(シェルターを造るのは)沖縄で戦争をやっていく宣言だ」「沖縄戦を繰り返すのか」と憤った。 

  集会でインタビューされた具志堅さんは、「議員と首長は住民が避難するのを見届けてから避難すべき」と政治家の覚悟を求めた。 

  シェルターは当然足りないのでガマへの避難もありうるのではとの問いには、「ガマは聖地で、亡くなった人を想う所。そこで二度と人は死なせてはいけない」と毅然と答えた。 

  さらに「シェルターの話ではなく、戦場にしないという話をしなくてはならない」「危険要因である基地は全部撤去させるべき」と政府を批判した。