今週の新社会

南西諸島要塞化 急ピッチ
”台湾有事”を想定
緊張増すばかり

2022/12/07
平和センターが鹿児島市天文館前で行った日米共同統合演習反対行動でスタンディングする新社会党鹿児島県本部のメンバーら
=11月5日 


現地に呼応し国民的闘いを

「安保3文書」の改定とそれに伴う大軍拡は改憲に匹敵するが、閣議決定だけで国の在り方を大きく変えてしまう。とりわけ南西諸島の軍事化は、台湾有事を想定して急ピッチで進められている。現地で反対運動が取り組まれているが、国民的な闘いが強く求められている。

   鹿児島県の種子島・西之表市街地から12㌔の馬ま毛げ 島しま、8・2㎢の島で米軍・自衛隊の要塞化が強行されている。当初は、岩国基地(山口県)に駐留する米空母艦載機が硫黄島で行っている離着陸訓練(FCLP)を移転する計画だった。

  中国との緊張・台湾有事を煽る政府は、南西諸島に軍事拠点を展開、馬毛島も国内最大の訓練場、日米の軍事演習・機動展開・兵站に位置づける。

  8月には馬毛島の葉山港で浚渫が始まり、馬毛島を「宝の島」と呼ぶ漁民は、「宝の海を壊すな」「漁師の生活を壊すな」と海上デモを行った。また、深夜3時まで種子島上空を飛ぶ艦載機の轟音は住民生活を脅かす。

  今年1月の西之表市長選で、基地建設反対を公約した現職の八板俊輔氏が自民推薦候補を144票差で破って再選。しかし、八板市長は政府・防衛省に押されて容認姿勢に転じ、11月の市民説明会では、米軍再編交付金の受け取りを明言した。

  これに対し住民は、「市長に辞任を求める西之表市民の会」を結成。リコール運動を11月28日に開始した。

  他方、種子島の南に位置する奄美大島には陸上自衛隊奄美駐屯地(奄美市)があり、ミサイル迎撃や電子戦など「多領域」任務を持つ米陸軍が初参加する日米共同訓練も行われ、既成事実化が進む。並行して同島瀬戸内町にある陸自瀬戸内分屯地では、巨大トンネルを掘って南西諸島最大級の弾薬庫建設が進む。

  また、11月21日には作戦行動半径1852㎞の米軍無人偵察機「MQ9」が鹿児島県鹿屋市の海上自衛隊鹿屋基地で運用を開始。新社会党県本部は配備反対・抗議行動を九条の会と連携して続け、配備確定前後には基地に集結して抗議した。

  党県本部は、鹿児島市の中心街・天文館前やJR中央駅前でスタンディングアピールを行っており、統一教会問題の追及とともに奄美・馬毛島・鹿屋での戦争準備に抗議、「非武装中立こそ平和を守る道・武力で平和は守れない」と訴えている。