今週の新社会

種苗法改悪 許さない!

2020/11/24
農家に利用料 ~生存権を大企業が握る~

 衆院農林水産委で11月12日、種苗法改定案の審議が始まった。法案の一部は12月1日施行とあり、政府。与党は採決を急ぐ。12国には種苗法改定反対・抗議集会を日本の種子(たね)を守る会や農民運動全国連絡会が開き、衆院第二議員会館前で廃案を訴えた。
 種苗法改定案は、登録種苗の海外流出を防ぐという名目で出された。前段で、中国へのブドウのシャインマスカット流出問題のキャンペーンが張られた。
 しかし、法案を成立させても海外流出は止まらない。流出防止には海外各国での品種登録が必要で、シャインマスカットの場合は、育成者である農林水産省所管の農業・食品産業技術総合研究機構(農研機構)の不手際が原因だ。
 種苗育成権者の権利擁護は当然だが、法改定されればこれまで自家製苗を作り農産物を生産販売してきた農家に、利用料支払い義務が生じる。
 種苗法改定案に先立って種子法が廃止され、農林試験場など公的機関の予算が廃止され、米や小麦などの公的な種子育成のノウハウが利益目的の民間ヘの譲渡が進められることになった。種子育成の民間開放は、種子のィ大企業=アグリビジネスによる独占だ。食料確保。生存権が大企業に左右され、食の安全どころではなくなる。
 法案が審議入りした‐2日の国会前集会では、山田正彦元農水相が、「種子法廃止を衆参11時間の審議で城立させたように、種百法改定も強行しようとしている。種子法廃上に伴い2‐道県が種子条例を作り、特産の品種等の育成や保護を続けている。種は人類の遺産であり、自家採種や自家増殖の歴史を企業の利益に従属させてはならない」と訴えた。
 種子を守る会の福間莞爾事務総長は、「種子法と種苗法は関連している。知的財産権があらゆる農産物に適用され、農民の自家採種や自家増殖という基本的な権利が侵害されてはならない」と訴えた。