道しるべ

「中止」の声を上げ続けよう
甚大被害を尻目に強行

2021/07/20
 緊急事態宣言下の五輪開催、菅義偉首相の眼は死んでいる。商業化五輪のワナにはまり、首をかけた開催強行しかない。民衆の甚大な被害を尻目に、権力内ではポスト菅の仕掛けがうごめく。

 菅首相を五輪開催に突き進ませたのは、「国威発揚」による権力維持の幻想と、IOCを核とする国際的利権集団への迎合だ。その「国威」は失墜した。五輪開催のため、3回目の緊急事態宣言後わずか3週間で再宣言を余儀なくされた。

 「7月末完了」破綻

 「安心安全」開催の唯一の根拠としたワクチン接種を急ぐあまり、職域接種はワクチン不足で小企業を見捨て6月末に打ち切った。7月初めにはワクチン供給の見通しがたたず、各自治体で接種の新規予約の停止が相次ぎ、政府の「高齢者は7月末完了」公約は頓挫。各地で不安が広がっている。

 五輪強行への強い批判を示した都議選の結果は、菅政権を揺さぶり、「宣言」再発令の決定と合わせ4都県と北海道、福島は「無観客」にせざるをえなかった。

 しかし、チケット払い戻し費用をIOCは負担しない。放映できれば巨額の放映権料が入る。放映に合わせた夜中の競技のため、深夜ダイヤまで組ませた大騒ぎは何だったのか。「ぼったくり男爵」ら五輪貴族と世界中の利権集団は、開催さえすればいい。

 連中のために、国民の命を危険にさらしても開くのか。80年代後半から商業化した五輪には開催国で激しい反対運動が起きてきた。

 巨額の負債を残し、パンデミック対策に必要な人的・財政的資源を祭りに回す東京五輪は、今後の開催国に最悪の前例となる。日本が中止を宣言すれば世界中が安堵するに違いない。開会間近でも、香山リカさんはじめ各界から中止のアピールが広がっているのも当然だ。

 飲食店いじめ強化

 また、長期の「宣言」は倒産・失業を深刻化する。ただでさえ少額の給付・支援金の支給が大幅に遅れているのに、国は飲食店いじめを居丈高に強めている。

 巣ごもり産業の法人税と消費税増税の結果、税収は過去最大で20年度予算の剰余は4兆5千億円もあるのに支援は雀の涙。政権は臨時国会で巨額の補正予算を組み、批判をそらそうとするだろう。

 しかし、総選挙前の首相交代、「小池新党」再待望、野党共闘からの国民民主分断など、支配体制の再編もうかがえる。いずれにせよ、五輪中止の声を上げ続けることが総選挙の前哨戦に欠かせない。