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今週の新社会
与党が過半数割れ
「裏金」で不信任
2024/11/06
熊本市内での街宣で、左から福島瑞穂社民党党首、岡崎宏美新社会党委員長、今泉克己社民党熊本県連代表=10月23日
総選挙結果
自公を痛撃
立憲野党は真価を
自民党一強体制が崩れ、与党が過半数を割った。「裏金」を最大の争点とした10月27日投開票の第50回総選挙で国民は、与党に不信任を突きつけた。公明党は就任したばかりの石井啓一代表が落選し、大阪で維新とすみ分けていた議席をすべて失った。受け皿となったのは立憲民主と国民民主の両党で、れいわと保守2党が間隙を突いた。主権者が期待していた「与野党伯仲」はできた。自民党政治の行き詰まりは明らかだが、投票率の低下を見ても政治への積極的期待が高まっていないことが問題だ。
物価高に悩み苦しむ国民生活を尻目に、「裏金・金権」で権力を独占し、私腹を肥やす自民党政治が断罪された。与党が過半数を大きく割り、改憲勢力も3分の2以下となった。しかし、真の争点であるべき戦争準備と莫大な軍事予算等が争点化しなかったことは、戦争と改憲の危機が続いていることを示している。
野党に食指を伸ばし
石破自民党は、無所属当選者を追加公認しても自公が過半数に届かないと、野党に食指を伸ばして連立工作を始めた。
一方、政権批判票を集めた立憲民主党は、政権交代の基礎はできたと次を見据える。そのためには企業団体献金禁止等の政治改革や、非正規労働や選択的夫婦別姓などの人権問題で、期待に応える実績が求められる。
他方、共産党は微減、社民党も比例九州で復活を逃し、沖縄2区の1議席にとどまった。また、れいわは独自路線で共産を上回る9議席を得た。
「裏公認料」でトドメ
今回の総選挙で、これまでの市民と野党の共闘体制が変容した。立憲民主と共産の競合選挙区が多数でき、自民追い落としの好機を逃す危機感が高まった。しかし、それ以上に裏金批判は強く、特に自民党が非公認無所属候補にも、「裏公認料」である2000万円を支給したことが暴露されトドメとなった。
今回の結果を足掛かりに真の政治改革に向かうには、立憲民主と共産の溝をどう埋めるのかが問題だ。そのためには国民的課題を解決する院内共闘と、それに呼応した院外の運動強化が不可欠だ。
立憲野党が問われる
新社会党は、立憲野党間の不協和音解消と、改憲暴走を止めるためには社民党の政党要件確保が必須とし、全力で支援した。それは失った国会議席を来年の参院選で回復することにもつながる。
改憲の達成への「黄金の3年間」は一転して「与野党伯仲」となり、立憲野党が試される情勢となった。「連立」の行方を注視し、自公政権の下で悪化し続けた国民生活を改善へ反転させよう。
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自公を痛撃
立憲野党は真価を
自民党一強体制が崩れ、与党が過半数を割った。「裏金」を最大の争点とした10月27日投開票の第50回総選挙で国民は、与党に不信任を突きつけた。公明党は就任したばかりの石井啓一代表が落選し、大阪で維新とすみ分けていた議席をすべて失った。受け皿となったのは立憲民主と国民民主の両党で、れいわと保守2党が間隙を突いた。主権者が期待していた「与野党伯仲」はできた。自民党政治の行き詰まりは明らかだが、投票率の低下を見ても政治への積極的期待が高まっていないことが問題だ。
物価高に悩み苦しむ国民生活を尻目に、「裏金・金権」で権力を独占し、私腹を肥やす自民党政治が断罪された。与党が過半数を大きく割り、改憲勢力も3分の2以下となった。しかし、真の争点であるべき戦争準備と莫大な軍事予算等が争点化しなかったことは、戦争と改憲の危機が続いていることを示している。
野党に食指を伸ばし
石破自民党は、無所属当選者を追加公認しても自公が過半数に届かないと、野党に食指を伸ばして連立工作を始めた。
一方、政権批判票を集めた立憲民主党は、政権交代の基礎はできたと次を見据える。そのためには企業団体献金禁止等の政治改革や、非正規労働や選択的夫婦別姓などの人権問題で、期待に応える実績が求められる。
他方、共産党は微減、社民党も比例九州で復活を逃し、沖縄2区の1議席にとどまった。また、れいわは独自路線で共産を上回る9議席を得た。
「裏公認料」でトドメ
今回の総選挙で、これまでの市民と野党の共闘体制が変容した。立憲民主と共産の競合選挙区が多数でき、自民追い落としの好機を逃す危機感が高まった。しかし、それ以上に裏金批判は強く、特に自民党が非公認無所属候補にも、「裏公認料」である2000万円を支給したことが暴露されトドメとなった。
今回の結果を足掛かりに真の政治改革に向かうには、立憲民主と共産の溝をどう埋めるのかが問題だ。そのためには国民的課題を解決する院内共闘と、それに呼応した院外の運動強化が不可欠だ。
立憲野党が問われる
新社会党は、立憲野党間の不協和音解消と、改憲暴走を止めるためには社民党の政党要件確保が必須とし、全力で支援した。それは失った国会議席を来年の参院選で回復することにもつながる。
改憲の達成への「黄金の3年間」は一転して「与野党伯仲」となり、立憲野党が試される情勢となった。「連立」の行方を注視し、自公政権の下で悪化し続けた国民生活を改善へ反転させよう。