今週の新社会

原発回帰へ暴走
「依存度低減」を削除

2025/03/05
フクシマに背向け
「7次エネ計画」を閣議決定


     福島原発事故から14 年を目前に石破政権は2月18日、原発の最大活用にカジを切る第7次エネルギー基本計画を閣議決定した。計画はまた、先進国がとるべき焦眉の課題である脱化石燃料の責任も放棄する内容だ。福島原発事故の被災者は今なお故郷を奪われ、生活再建へ裁判を闘っている人も多い。

   「失われた『ふるさと津島』がもう一度蘇るように、国、東電の罪をはっきりと断罪し、復興への道をお示しください」―、津島原発訴訟原告の馬場靖子さん(84歳)は24年12月、仙台高裁で訴えた。馬場さんは元教員、帰還困難地域の福島県浪江町津島の元住民で、ふるさとの写真を撮り続け、昨年写真集を出した。 

   そ の帯には「豊かな自然。穏やかな笑顔。温かいコミュニティ。生きることに一生懸命な姿。以前は、このような姿が津島には沢山ありました。でもそれが、あっという間の原発事故で失われ、住むことが許されず、みんな散り散りになってしまいました」とある。 

    浪江町の事故発生時の人口は2万1千人。全員避難し、今も1万9千人が帰れない。能登半島地震は、原発事故が重なっても避難不可能を白日の下にさらし、避難計画の空虚さを見せつけた。 

  原発のコストとリスク、解決できない核のゴミ問題に目を背け、政権が決定した第7次のエネ基本計画では40年度で原発は電力の20%を占める。「可能な限り原発依存度を低減する」方針は消され、老朽原発を稼働させ、新増設する。 

   また、化石燃料依存を続け、過大なエネルギー需要予測もある。その結果、「1・5度目標」という先進工業国としてとるべき責任を果たそうとしない。24年は単年度ながら世界も日本も1・6度上昇を示した。農業や漁業で、そして自然災害でも気候危機の兆候が随所に現れている。 

  だが、エネルギー計画と並行して議論された地球温暖化対策では35年度の温室効果ガス削減目標は、13年度比で60%にとどまる。今とるべきは、再生エネルギーへの抜本的転換と省エネ技術の追求であり、脱原発だ。