道しるべ

首相の強国化主張のウソ

2026/01/14
2026年度政府予算案

  1人当たりGDPは、先進国機構OECDの中で24位に後退。日本はもう世界の強大国ではない。だが政府予算案は再び強国化に向けて財政を投入。高市首相の強国化幻想が日本を疲弊させる。

積極財政と財政破綻 

  26年度政府一般会計予算案は、高市首相の「強い経済・積極財政」の下で122兆3092円となり、昨年度当初から6・2%増の過去最大規模となった。 

  財政拡張路線は、金利復活での金利上昇と円安の環境下、歳出面は利払い費等への国債費31兆2758億円の計上、歳入面では新規国債発行額が29兆9902億円に上った。 

  既に1000兆円を超える国債発行残高があり、積極財政は、国家財政の破綻へ繋がっていく。

戦争反対の声を大に 

  25年度の軍事費(防衛省予算と関連費)は総額約11兆円となり、政府は軍事費のGDP比2%(22年度基準)を2年前倒しで達成した。 

  26年度では、防衛省所管に前年度当初比3349億円多い9兆353億円を計上。9兆円を突破し、12年連続での過去最大金額となった。 

  特徴は、敵基地攻撃能力の早期整備と併せ、戦闘様相の大変化に対応する「多層的沿岸防衛体制」の構築だ。10種類の大量無人機で侵入を阻止とし、27年度中の構築に向け1001億円を計上した。 

  自衛隊は「本当に戦える軍隊」へ急変貌中で、結果、為政者が戦争へ踏み込む敷居を低くしている。私たちは「戦争反対」の声を強く大きくしなければならない。

先端技術へ財政投入 

  高市政権は「危機管理・成長投資」を掲げ、AIや造船など17分野を重点投資対象と決定。とくにAIや半導体には、25年度補正6・4兆円に続き、1・9兆円を計上した。 

  半導体メーカーのラピダスへは、今年度の1千億円出資に続き、26年度では1500億円を追加。26~27年度には9300億円の研究開発支援も実施する。 

  過去、国が復活へ関与した半導体事業が全て失敗した事を忘れてはならない。

生活の抜本的改善! 

  高市首相の年頭所感は「日本列島を強く豊かに」というもの。しかし、軍事能力や先端技術へ財政投入しても、「生活の抜本的改善」のスローガンはどこにもない。あるのは維新や国民民主を繋ぎ留める部分的改善のみ。 

  一方、金利上昇下での国債増加は、既存の国債残高を含め借換債での金利負担を大きく増加させ、財政硬直化と財政破綻へと導く。高市首相の強国化幻想が日本を疲弊させる。