道しるべ

サービス守るため公費増を

2026/02/11
社会保険料引下げ 

  今次衆院選では、多くの政党が現役世代の社会保険料引下げを公約した。しかし、高齢者がターゲットにされており、引下げが行われた場合、医療と介護は給付の抑制・負担の強化になる。 

保険の種類と料率 

  会社員の社会保険には、厚生年金保険、健康保険、介護保険、雇用保険、労災保険の5種類がある。保険料は労災保険のみ全額事業主負担で、他はおおむね労使折半となっている。 

  厚生年金保険の保険料率は18・30%(04年の年金法改正で17年9月以降固定と決定)。また、25年時点での保険料率は、健康保険は10・00%、介護保険(40歳以上65歳まで加入)は1・59%、雇用保険は1・45%(労働者0・55%、事業主0・9%)となっている。 

  25年度予算ベースの社会保障給付費は140・1兆円。給付は、年金が62・5兆円(44・4%)、医療43・4兆円(30・8%)、介護14・0兆円(9・9%)である。 

  負担は保険料が82・2 兆円(59・8%)で、うち労働者拠出が43 ・5 兆円(31・6%)、事業主拠出38・8兆円(28 ・2%)。公費負担が55・3兆円(40・2%)で、うち国費が38・2兆円(27・7%)、地方が17・2兆円(12・5%)だ。 

狙いは医療・介護 

  現役世代の社会保険料率は、協会けんぽの場合、年金・医療・介護を合わせて29・9%で、うち労働者負担は15・0%である。厚労省は現役世代の保険料率は報酬の3割に迫り、今後も継続的に上昇すると見込む。そこで、ターゲットにされているのが、医療と介護である。 

  国は、保険料負担抑制に向けた社会保障制度改革として、OTC類似薬等の薬剤給付の負担増(保険料負担を2年間で1000億円減)、高額療養費制度の見直し(同3年間で1600億円減)、薬価引き下げ(同26年度2000億円減)などを示した。 

  更に26年度から子ども子育て支援のための支援金の徴収が始まる。6436億円と見積もられ、医療保険料に一律0・23%(労使折半)上乗せで調達する。また、27年度から後期高齢者医療の窓口負担増や介護保険の利用者負担2割の対象者拡大などあげる。一部政党も、正に高齢者を狙い撃ちしている。 

累進性強化すべき 

  現役世代の安易な保険料の引下げではなく、保険料の累進性の強化、労使折半の労働者割合の軽減、そして国費の投入などで保険料負担を軽減し、サービス切捨てと利用者負担増を避けるべきだ。