今週の新社会

「戦争法」廃止 政権交代で
70回目の「19行動」 市民と野党が決意

2021/09/28
70回目の「19行動」は、国会正門前と全国をウェブでつないで開かれた=9月19日、東京・永田町

 憲法違反の集団的自衛権行使容認に基づく戦争法(安全保障関連法)の強行採決から丸6年の9月19日、国会前と全国をウェブでつないだ70回目の「19行動」が国会正門前で開かれた。参加した各界や野党代表は、安倍・菅政権の罪状を挙げ、「戦争法」廃止には政権交代が必要と訴えた。

 開会挨拶した総がかり行動実行委の菱山南帆子さんは、「安倍政権は、言う通りになる外務官僚を内閣法制局長官に据えて憲法違反の集団的自衛権行使容認に踏み出した。コロナ禍で女性が苦境にあえいでいるが、女性の非正規拡大がもたらしたものだ。コロナに無策の政権に市民の命は任せられない」と政権交代を訴えた。

 野党は立憲民主党の菅直人最高顧問、共産党の田村智子副委員長が挨拶、社民党の福島瑞穂党首はビデオメッセージで連帯と政権交代へ決意を表明した。

 立憲デモクラシーの会の石川健治東大教授は、「立場を超えた前提が崩され、議論をする共通の土俵がなくなった。菅政権の断末魔は、壊れてしまった統治システムが無残に機能不全に陥るということを示した」と指摘した。

 安全保障関連法に反対する学者の会の高山佳奈子京大教授は、アベノマスクを取り上げ、「いつから日本はこんなにバカになったのか。専門知が民主主義に生かされない。知恵を集め、熟議を尽くすのが民主主義だ」と訴えた。

 元シールズの元山仁士郎さんは6年前を振り返り、「戦争法が成立した悔しい思いがあったが、ここから何か変わるのかもしれない、変えられるのかもしれないと感じた」と語り、現状を「かつての沖縄戦の道のりを進んでいる」と告発、「政権交代を〝野党頑張れ〟だけではなく、市民も地道な努力を」と呼びかけた。

 安保関連法に反対するママの会の高岡直子さん(医師)は、「コロナ感染者の自宅に行ってわずか15分診察し、入院すべき人を放置して次の患者宅に向かう。政府・与党はこの状態を国会も開かず放置している。政治は医師より人を救える。政治家は仕事をして下さい」と訴えた。

 市民連合事務局の福山真劫さんは「総裁選の4人は同じ穴のムジナ」「野党が統一すれば勝てる」と強調。憲法共同センターの小田川義和さんは「これから1カ月半、政権交代に向けた行動に集中しよう」と行動提起した。