今週の新社会

コロナ感染拡大の元凶
米軍基地だ!

2022/01/26
在日米軍基地の感染者数

地位協定で尻抜け
抜本改正こそ水際対策


  新型コロナ感染第六波が明らかになった1月14日の政府発表では、回復者を除いた在日米軍基地の感染者は5340人、うち64%、3427人を在沖縄基地が占める。海兵隊の大規模移動が感染起点であることは疑いようがない。水際対策を言うなら感染対策フリーの日米地位協定こそ根本改正すべきだ。

  沖縄県の13日現在の直近1週間の10万人当たりの感染者数は、654人。レベルⅣ(非常事態)に相当する。療養中の患者は前日比1358人増の1万956人と過去最多となった。人口換算で東京都ならそれぞれ1万2930人、10万4300人に相当する。 

  今回の感染拡大の原因は明らかに米軍であるにも関わらず、それを認めなかった岸田政権は、11日になって松野官房長官が記者会見で米軍が一因である可能性を認めた。それまで認めなかったのは、米軍の治外法権を許している日米地位協定が問題となるのを嫌ったからだ。 

  新型コロナ対策でも治外法権ぶりは明らかだ。元々米軍基地を通しての出入国は出入国管理法適用除外。それでいて基地外に出るのは自由だ。玉城デニー知事が米軍に外出禁止を求めても、マスクも着用しないで外出。 

  知事の要請後16日目の今月6日、林芳正外相がブリンケン米国務長官に在日米軍基地の新型コロナ対策強化を求めた。その結果10日から14日間の夜間10時以降の外出禁止となった。しかし、政府はそれを守らせることができるのか。クラスターが発生した基地の閉鎖こそ必要だ。 

  米軍が米本土から出国時に行うPCR検査を日本に向かう場合、昨年9月3日から12月25日まで免除していたことを政府が認めた。入国直後の検査もないまま、米軍は入国者の隔離期間も14日間から10日間に短縮し、建物隔離から基地内隔離に変えて基地にクラスターを発生させた。それが日本人の基地従業員も経由して、爆発的な市中感染となった。 

  米国追従の政府がここまで新型コロナ感染を悪化させたのだ。日米地位協定は米軍への日本の法律適用を原則除外しており、防疫法も免除されているため、新型コロナ対策は米軍任せだ。 

  しかし、沖縄県の調査によると、敗戦国の独・伊を含めたNATO各国や豪では米軍に国内法を適用、フィリピンでも検疫を求めることができる。いかに日本が屈辱的な協定を温存しているかがわかる。韓国は米兵の裁判権を取り戻し、フィリピンも地位協定を改善した。

  与野党とも通常国会の重要課題として、地位協定の抜本改正に取り組むべきだ。