今週の新社会

ロシア軍は撤退せよ!
やってはいけない 核の脅しと原発攻撃

2022/03/16
ロシア軍撤退を訴える岡﨑彩子さん
 =JR神戸駅前・3月5日


 ロシア大使館周辺で抗議行動=3月4日

  ロシア軍のウクライナ侵攻に国際的な非難が高まる中、ロシアは懸念されていた原発攻撃に踏み切った。ウクライナは国際原子力機関(ⅠAEA)に、原発の安全のための介入を要請している。

    ロシア軍は2月24日、ベラルーシ国境に近いチェルノブイリ原子力発電所を占拠した。その際、作業員を拘束し事実上の人質とした。ロシア軍が侵攻を続ける限り、ウクライナの全原発の危機が憂慮される。

    ロシア軍はウクライナ北部のみならず、各方面から侵攻したが、その途上には15の原発がある。その中で、6基の原子炉が稼働するザポリージャ原発が3月4日に攻撃された。 

    この原発は、長年の紛争地帯のドンパス地域にあり、ロシア軍の侵攻による不測の事態が指摘されていたが現実となった。但し、放射線量の上昇はないようだ。 

    問題は、原発への直接的なミサイル攻撃ではなくても、戦争により原発管理に携わる要員の不足や、通常管理への支障、ましてや電力系統へのサイバー攻撃によって冷却装置が不能になり「メルトダウン」も起こりうること。 

 さらにロシアのプーチン大統領は核の使用をほのめかした。これは1962年夏、旧ソ連のキューバへの核ミサイルの持ち込みを巡る米国とソ連(現ロシア)との「キューバ危機」以来の事態だ。  

  ロシア軍の侵攻に乗じて、自民党の安倍晋三元首相が民放番組で日本の米との「核共有」に言及した。米国の核兵器を自国の領土内に配備する「核共有」政策の議論をするべきとの発言だ。さらに高市早苗政調会長も会見で核兵器の持ち込みに触れて、「非核三原則」の再検討のための議論の促進を言明。

  ウクライナへのロシア侵攻に対し、日本がとるべき態度は制裁だけではない。憲法前文と9条を持つ不戦・非武装の国であり、世界で唯一の戦争被爆国の日本こそ、ロシアとウクライナ間の仲介の労を探るべきだ。

  ロシア軍撤退求め各地で集会とデモ 

  ロシア軍のウクライナ侵攻に対し、全国各地で抗議行動が起きている。東京では3月3日から、「戦争をさせない1000人委員会」が都心で緊急アピール行動を行った。 

  3月5日には東京の代々木公園で、原水禁・平和フォーラムが「ロシアはウクライナ侵攻をやめろ!原発を攻撃するな!さようなら原発緊急行動」が開かれた。 

  集会前段ではジャーナリストの鎌田慧さんが「原発が戦争に使われる悲惨は避けよう」と訴え、デモ行進をした。

  デモ行進参加者は口々に反戦のアピールをしながら、街の人々に訴えた。

岡﨑彩子こさん
やるぞ参院選! 熱く反戦を訴える


  新社会党が7月の参院選で、社民党が呼びかける共同名簿方式に参加し、比例区に擁立することを決めた岡﨑彩子さん(新社会党兵庫県本部書記次長)は、街頭での訴えを開始した。 

  3月5日には国際女性デーにちなんだ女性会議ひょうごが行ったJR神戸駅前の街頭行動に参加し、マイクを握った。 

  この日の行動はロシアのウクライナ軍事侵攻に抗議する行動にもなり、女性たちは、即時停戦とロシア軍のウクライナからの撤退を求めるアピールを行った。

  マイクを握った岡﨑彩子さんは、国際女性デーの意義を訴えるとともに反戦をアピール。「ロシアの軍事侵攻は原発をも攻撃対象にする最悪の事態になっている。女性や子どもたちも含め、すでに2千人を超える市民が戦争の犠牲になっている。一刻も早く戦争を止めさせ、ロシア軍をウクライナから撤退させないといけない。

  ロシア国内、世界各地で、反戦デモが起きている。日本でも一人ひとりがもっと『戦争反対』『侵攻を止めろ』の声を上げよう。 

  しかし、日本ではこの事態に乗じて、『日本も核の共有を』とか、『非核三原則の見直しを』など、驚くような発言が右翼的な政治家から公然と出ていて、絶対に許せない。今ほど『憲法9条』と『非武装中立』の理念が大切な時はない」などと訴えた。 (兵庫発)