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道しるべ
インボイス制度 中小事業者に大きな打撃
2022/12/14
来年10月から、消費税に「インボイス制度」が導入されることが大きな問題になっている。制度の内容が分かりにくい上に、中小零細企業が廃業の危機に追い込まれるといった悲鳴を耳にする。
現行の消費税納税の仕組みを単純化すると、花屋がシクラメン一鉢を農家から2200円(税200円)で仕入れ、3300円(税300円)で売ったとする。
花屋、農家共に課税事業者(売上げ1000万円以上)であれば、農家が200円、花屋が100円の消費税を納税する。ところが、農家が非課税事業者(売上げ1000万円以下)の場合、花屋は客から受け取った消費税300円から農家に支払った消費税200円を引いた100円を納税する。
仕入れ控除できず
インボイスは「適格請求書」といい、制度の正式名称は「適格請求書等保存方式」。適格請求書を発行できるのは消費税課税事業者だけで、税務署に「適格請求書発行事業者」の登録が必須になる。
制度が導入され、先の農家が非課税事業者のままだと、花屋は農家から適格請求書を発行してもらえないので、仕入れ控除が受けられず、300円を納税しなければならない。
また、農家が非課税事業者から課税事業者に移行すると、今まで納税していなかった200円を納税しなければならず、負担増になる。
このことから、何が起きるか。花屋は、非課税事業者の農家から買うのを止めることが考えられ、農家は廃業の危機にさらされる。一方、農家が課税事業者になると、納税していなかった消費税を支払わなければならなくなる。売上げを増やせないと、税負担に耐えられなくなる可能性がある。
売上げ減り廃業に
財務省の推計で国内に約800万事業所があり、その内約500万が免税事業者。この免税事業者は、中小・零細企業である。
今、日本は異常とも言える円安。その中で大企業は空前の利益を上げ、内部留保は516兆円に達する。半面、実質賃金は下がっている。
それは、中小・零細企業が原価の上昇分を販売価格に転嫁できていないからだ。中小企業の中には、大企業の下請けで下請け単価が安く、経営に苦しんでいるところも多い。
このような中で、インボイス制度が導入されると中小・零細企業は売上げが減り、廃業に追い込まれるか、払わなくて済んだ消費税の増税に苦しめられる。インボイス制度の導入には断固反対だ。
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花屋、農家共に課税事業者(売上げ1000万円以上)であれば、農家が200円、花屋が100円の消費税を納税する。ところが、農家が非課税事業者(売上げ1000万円以下)の場合、花屋は客から受け取った消費税300円から農家に支払った消費税200円を引いた100円を納税する。
仕入れ控除できず
インボイスは「適格請求書」といい、制度の正式名称は「適格請求書等保存方式」。適格請求書を発行できるのは消費税課税事業者だけで、税務署に「適格請求書発行事業者」の登録が必須になる。
制度が導入され、先の農家が非課税事業者のままだと、花屋は農家から適格請求書を発行してもらえないので、仕入れ控除が受けられず、300円を納税しなければならない。
また、農家が非課税事業者から課税事業者に移行すると、今まで納税していなかった200円を納税しなければならず、負担増になる。
このことから、何が起きるか。花屋は、非課税事業者の農家から買うのを止めることが考えられ、農家は廃業の危機にさらされる。一方、農家が課税事業者になると、納税していなかった消費税を支払わなければならなくなる。売上げを増やせないと、税負担に耐えられなくなる可能性がある。
売上げ減り廃業に
財務省の推計で国内に約800万事業所があり、その内約500万が免税事業者。この免税事業者は、中小・零細企業である。
今、日本は異常とも言える円安。その中で大企業は空前の利益を上げ、内部留保は516兆円に達する。半面、実質賃金は下がっている。
それは、中小・零細企業が原価の上昇分を販売価格に転嫁できていないからだ。中小企業の中には、大企業の下請けで下請け単価が安く、経営に苦しんでいるところも多い。
このような中で、インボイス制度が導入されると中小・零細企業は売上げが減り、廃業に追い込まれるか、払わなくて済んだ消費税の増税に苦しめられる。インボイス制度の導入には断固反対だ。