今週の新社会

統一教会と自民党が
呼び込む戦争
「いのちの安全保障」掲げ

2023/06/14
「右派に毒された政治を変えよう」と訴える左から前川喜平、平野貞夫、有田芳生、佐高信の各氏=5月23日、衆院第一議員会館

共同テーブル第3回シンポ 参加・視聴者3300人


  「新しい戦前にさせない」共同テーブルの第3回シンポジウムが5月23日、「統一教会と自民党が呼び込む戦争」をテーマに開かれた。岸田政権が強行する原発再稼働や軍拡への暴走に対して、「いのちの安全保障」を掲げ、憲法無視の政治の背景を探り、国民生活を守る民主政治のあり方を問うた。

  会場の衆院第一議員会館は開場と同時に300人の参加者であふれた。オンラインでも千人が視聴し、フォークシンガーの中川五郎さんの歌と、神田香織さんの講談『はだしのゲン』で始まった。 

  シンポジウム後も翌朝にかけて新たに2千人がユーチューブの動画を視聴した背景には、世論調査で反対が多数を占める法律を、与党とそれに同調する維新や国民民主がみるみる成立させていく政治を何とかしたいという思いがある。 

  共同テーブルの佐高信代表は主催者挨拶で「広島サミットで岸田首相は核廃絶への『やるやる詐欺』をやったが、戦争だけはやる」とバッサリ。 

  中川さんは、「言葉は人と人をつなぐものなのに、言葉が敵と味方を分けるものになり、人の命を奪っていく」と、「15円50銭」という朝鮮人に発音しにくい言葉を言わせて朝鮮人をあぶり出して虐殺した関東大震災を例に、それは過去のものではないと歌った。 

  神田さんが、原爆が落ちる場面を語った時には大音量とともに会場のライトが落とされ、『はだしのゲン』は会場を一瞬でヒロシマの惨劇の場に変え、戦争を実感させる文化の力を示した。 

  その一体感の中で行われたシンポジウムは、統一教会問題を追及してきた有田芳生さん、元参院議員の平野貞夫さん、元文科事務次官の前川喜平さんをパネリストに佐高さんの司会で行われた。 

  有田さんは、統一教会と自民党の関係だけではない本質的な問題が明らかにされない中で問題の幕引きが図られていると強調。米国で在韓米軍の縮小が議論された時、韓国の朴正煕軍事政権下で統一教会が米国の政界工作をし、準軍事組織も持っていると指摘した。 

  政治改革で政権交代を図る健全な政治の実現を目指してきたと言う平野さんは、「統一教会が自民党の文化になっている」とし、統一教会の本質を知らずに政治改革だと言ってきたと反省の弁。そして広島サミットを一番喜んでいるのは文鮮明ではないかと語り、広島サミットは日米間の核共有と台湾有事に道を開いたと批判した。 

  前川さんは、自民党右派と統あ一教会は家教育を重視しており、親に従順な家父長制を実現したい、つまり権威に従順な人間を育てることを共通認識としていると語り、統一教会問題をうやむやにして両者を免罪しようとしていると指摘した。 

  参加者からは、「統一教会=改憲ウイルス、なるほどです」「『平和を希求する。こんな日本では終わらせないぞ!』に同意します」など運動の発展を期待する声が寄せられた。