今週の新社会

日本最古の高浜1号機
再稼働を強行

2023/08/09
音海展望台から高浜原発の北ゲートに向けて炎天下をデモ行進する市民=7月28日、福井県高浜町

48年を超えた危険な老朽原発


市民が現地で抗議

 「40年たった原発は廃炉」は、福島第一原発の過酷事故によってできた法律。ところが、関西電力と岸田政権は7月28日、運転開 始から48年8カ月で国内最古の老朽・高浜原発1号機(福井県高浜町)の再稼働を強行した。一昨年の美浜3号機(福井県美浜町)に続く関電の暴挙だ。

  再稼働強行の日は、カンカン照りの猛暑の中を高浜原発近くの音海展望台に福井や近畿、四国の伊方原発から100人の市民が駆け付け、原発北ゲートまでデモ行進し、2時間にわたる抗議行動を展開した。 

  この日もデモの先頭に立った福井県小浜市にある明通寺の中嶌哲演さんには、著書(『原発銀座・若狭から』1988年)があるが、この中で若狭の住民が諸般の事情で危険な原発を受け入れたのは、「30~40年で終わる事業」という、言わずもがなの「約束」があったことがうかがえる。 

  それが今や、40年廃炉の例外として20年延長、さらに60年を超えて無制限に稼働できる法律が、先の通常国会で自公と維新、国民の4党の横暴で強行成立した。 

  こうした中での行動として、「老朽原発うごかすな!実行委員会」の木原壯林さんが高浜原発での抗議行動で、▽9月1日午前10時から午後4時に関電本店前で数百人規模の「一食断食のハンスト決行」、▽12月3日には大阪市内で「とめよう!原発依存社会への暴走 1万人集会~うごかすな老朽原発」を提起した。 

  木原さんはまた、放射能汚染水の海洋投棄に対する抗議行動・デモを8月13日頃に行うことも提起した。 

  抗議行動では、福島から滋賀県に避難している青田恵子さんはじめ被曝労働を強いられる仲間の問題を告発する釜ヶ崎日雇労組、伊方原発反対闘争、毎月1回の脱原発デモを12年続ける滋賀の岡田啓子さんらが、老朽原発の再稼働を絶対に許さない決意を語った。 

  集会参加者はまた、関電の榊原定征会長宛ての抗議・申入れ書を提出し、「高浜1号機の再稼働反対!48年超えありえない!核のゴミを未来に押し付けるな!子どもたちの未来を奪うな!」とシュプレヒコールで声を枯らした。 (滋賀・稲村)