今週の新社会

資質問われる菅首相
学術会議”任命拒否”根拠総崩れ

2020/11/17
 臨時国会は衆参で予算委員会が開かれ、日本学術会議会員の任命拒否問題が集中的に取り上げられた。任命拒否の根拠は総崩れ、菅義偉首相は答弁もしどろもどろで立ち往生する場面もあり、早くも首相の資質が間われている。

衆参の予算委で野党が徹底追及

 「総合的、俯瞰的」「推せん通り任命するものではないことは従来から一貫している」「多様性が必要」と、首相は任命拒否を言い逃れようとした。しかし、予算委で野党の追及によって総崩れ、政権の政治介入が明らかになった。日本学術会議法違反はもちろん、学問・表現の自由を奪い、権力の統制下におこうとする憲法違反を平然と行い、嘘を重ねる道義のなさは政権の資格さえ疑われる。

 11月3日には国会正門前で総がかり実行委員会の「平和といのちと人権を!」求める「11・3大行動」と、安全保障関連法に反対する学者の会と全国大学有志の会が主催する「『学問の自由』を守れ学者・学生・市民による抗議行動」が相次いで開かれた。

 「11・3大行動」では新型コロナが浮き彫りにした社会の矛盾を明らかにし、その矛盾をさらに深刻化させる菅政権を止め、憲法が示す社会の実現に向けて格差と貧困、差別、憲法、医療、教育、女性、沖縄問題の各分野の識者、専門家からの訴えと提言が続いた。

 その直後に開かれた「学者・学生・市民による抗議行動」では任命を拒否された6人の学者のうち、小澤隆一・東京慈恵会医科大教授、松宮孝明・立命館大教授、岡田正則・早稲田大教授がメッセージを寄せた。

 集会では教育学者で安全保障関連法に反対する学者の会の佐藤学さんが、菅政権の21人の閣僚中15人が日本会議と指摘、憲法学者の水島朝穂さんの『直言』から「日本学術会議から『学術』を取ったら日本会議になってしまう」を紹介、菅政権を批判した。

 いのちより経済利益の追求とその独占を優先する、新自由主義の再スタートをはかる菅政権を、運動と選挙でストップさせよう。