今週の新社会

「緊急政令」を創設
ナチスの〝手口〟 改憲へ自民が「論点整理」

2024/09/18
国道沿いに建てられた新社会党の大看板と、かい正康さん=9月3日、愛媛県西条市内で



  自民党は9月2日、党本部で開いた憲法改正実現本部の会合で「9条に自衛隊明記」や「緊急事態条項新設」などの「論点整理」をまとめた。論点整理は、岸田文雄首相(党総裁)が8月に指示、緊急事態条項を巡って、災害時などに政府が法律と同等の効力をもつ「緊急政令」を国会の議決なしに定めることができるとした。

  自民党は改憲・国民投票の突破口として「同意が得られやすい」として大災害や武力攻撃、感染症のまん延などを「緊急事態」とし、衆院議員の任期を延長できるとする条項の新設を打ち出していたが、「論点整理」で同党の憲法改正草案(2012年)に盛り込んだ「緊急政令」を復活させた。 

  改憲草案の「緊急政令」はナチスがワイマール憲法の「緊急政令」を悪用してヒトラーの独裁体制を敷いたことから批判が強く、本音を隠す手段として「議員任期の延長」を正面に出していた。 

  戦前の日本でも、社会主義者や労働運動の活動家、自由主義者までも弾圧した治安維持法の改悪に「緊急勅令」が使われた歴史がある。田中義一内閣は1928年、第55回臨時議会で審議未了となった治安維持法改正案を、閣内の反対を押し切って緊急勅令で公布した。「改正」では、「死刑又は無期若しくは5年以上の懲役若しくは禁錮」刑を規定している。 改憲本部の会合に出席した岸田首相は「流れを加速させ一気呵成(いっきかせい)に進めなければならない。継続性が大事であり、新しい総裁にもしっかり引き継いでもらえるよう申し送りをする。自民党の力を結集し、憲法改正を実現したい」と述べた。

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かい正康の道ばたから世直し ~25参院選~

 「大看板」に決意も新た

  かい正康さんは9月3日から3日間、愛媛県を訪問した。全国行脚の一環だが、西条市では祖父母の墓参を行い、かいさんの参院選立候補を喜ぶ親戚に挨拶して回った。 

  また、8月2日に亡くなった真鍋知巳党愛媛県本部委員長が国道沿いに建てた「戦争反対 憲法で生活を守ろう」の大看板にも出会い、改めて闘う決意を固めた。その後、高橋章哲西条市議の案内で市内を回った。 

  続いて西条市内で東予地区集会。安倍晋三元首相の「お友達政治」の象徴・加計学園のある今治市でも集会に参加した、かいさんは加計学園問題の国会前集会での衝撃を語り、熱心に取り組んでいる水と食料問題を語り、政治を歪めている日米地位協定の廃止を求める闘いを報告した。 

  参加者から「食べ物、そして水は生きていく上で最も大事」「日本はアメリカの言いなりに日本農業をつぶしてきた。それが今の米不足の根本的な原因」「いつまでもアメリカの言うことを聞くだけの政治はだめだ」などの声があり、かいさんは「戦後79年、この国をここまでの状態にした自民党は、解体するのが国民に対する責任の取り方だ」と意を強くした。