今週の新社会

バラ色の夢であおる
大阪・維新のIR・カジノ

2022/01/19
選定されたMGM・オリックス コンソーシアムのIRイメージパース


市民は不安だらけ     反対署名がスタート

   大阪市此このはな花区にある人工島・夢ゆめしま洲に大阪府と市が計画しているカジノを含む統合型リゾート(IR)の設置運営企業が選定され、3月の大阪府・市議会で決まろうとしている。計画案に関して1月7日に最初の説明会が市内で開かれたが、液状化対策など新たな市負担790億円などに市民は危機感を募らせる。

  2025年の大阪万博後、20年代後半開業予定で進もうとするIR事業は、米国ラスベガスのIR事業者MGMとオリックスが中心となる共同事業体の提案を昨年9月、大阪府市IR事業者選定委員会が選定した。 

   現在、大阪・夢洲地区特定複合観光施設区域の整備に関する計画(案)が今月21日締め切りでパブリックコメントに付されており、計画案の説明会は府内11カ所で2月14日まで開催中。公聴会も21日から大阪市内4カ所で予定されている。 

  IRに反対する市民団体「カジノに反対する団体懇談会」は、①事業期間が長い(35年+延長30年)、この間TPP等のISDS条項を使って長期間の逸失利益で訴えられるリスクもある、②賃貸料が投資に見合わない(35年間で884億円の地代収入。夢洲の投資は6000億円、液状化対策費が790億円)、③大阪府・市の費用負担が青天井、④カジノでは治安が悪くなる、⑤ギャンブル依存症が増え、その社会的経費が検討されていないなどを指摘する。 

   大阪府・市の負担は、夢洲が産業廃棄物等の埋立てで造成されていることから土壌改良が必要になること。地盤は高層建築物に耐えない、沖縄・辺野古のマヨネーズ状ならぬ豆腐程度といわれる。しかも、PCBやダイオキシン等が大量に埋められており、その処分費用も莫大となる。 

   しかし、関西経済界や大阪府・市は、新型コロナウイルス感染症の深刻な影響をIRによって乗り越え、大阪・関西の経済成長のエンジンとし、大阪の都市ブランドを国際競争力ある新たな次元に引き上げるとバラ色のイメージを振りまいて突き進もうとしている。 

    議会で議決し、国に認定されれば実施協定が結ばれる。その前に止めようと、カジノ問題を考える大阪ネットワークがオンライン署名も始めた。