今週の新社会

自治体選後半 16日告示
国政の防波堤に 人権守る強固な足場を
争点目白押し   介護や医療負担増必至
すすまない給食無償化

2023/04/12
「地域の中にある暮らしの声」に徹底的に耳を傾けてきた竹内義了さん(左)は、新人ながら無競争で徳島県議初当選を果たした=3月31日、三好市内

      統一自治体選の後半は4月16日に始まる。9日投票の前半の結果は次号(19日付)となるが、徳島県議選三好第1選挙区(定数2)で新人の竹内義了さん(56歳)が無競争で当選、黒川征一さん、高井美穂さんが確保した議席を継承した。後半戦の市町村議選は、住民・地域と直結する暮らしと政治の現場であり、自治の最前線だ。党候補の全員当選へ総力を挙げよう。

      自治体選の投票率の下がる傾向が止まらない。自公による権力の私物化が進み、政治が主権者から遠ざけられてしまっていることが最大の原因だ。

    しかし、「政治が遠い」では済まされない現実が突きつけられるのが自治体選だ。「高齢社会のために」と導入が強行された消費税は、税率が今や10%となった。その消費税は、自治体の介護保険制度や後期高齢者医療制度の貴重な財源となっているはずだった。

    ところが、現実の消費税収は法人税減税(消費税導入時、資本金が1億円を超える大企業は税率40%が現在23・2%)や、富裕層減税でほぼ消えてしまう。 

      そのため、来年度は各自治体の介護保険料や後期高齢者医療保険料(都道府県単位だが、各行政や議会代表者が決める)の引上げは必至であり、介護保険制度においては利用時の負担増やサービスの削減が進んでいる。

      国民健康保険料の引上げもありうる。とりわけ、新型コロナ感染症が5月8日に5類に引き下げられることによって窓口負担が生じ、運営する自治体の負担増大が保険料引き上げに直結しかねない。給食費や子どもの医療費の無償化が、国の制度として進まないのも大きな争点だ。 

      大都市部の富裕な自治体は住民サービスを拡大できるが、一方で人口減が続き、住み続けることさえ困難な自治体や地域が生まれている。食糧の安全保障、安全な食料の確保を軸に、地域で循環する経済があってこそ、地域は守られる。

     自治体は国政の影響を受けざるを得ないが、自治体独自で様々な工夫もできる。住民の声を大切にし、議会や首長は政府に対して意見書や要望を出せる。しかし、政権に追随する自治体議員は、住民生活に根差す国への意見書提出を妨害する。

      新社会党が掲げる「私の街から政治を変える!」は、一人ひとりの手が届く自治体に市民・住民自治を発揮させ、ひど過ぎる国政の防波堤とし、住民生活を守ろうとの呼びかけであり、決意だ。

     岸田政権による軍事費2倍化は、大増税と社会保障削減、そして国土に戦禍が及ぶこととセットだ。自治体選を通して人権を守る強固な足場をつくろう。