今週の新社会

立憲野党に厳しい結果
結束し統一候補を
新社会党 世代交代の課題続く
衆参の補選と自治体選後半

2023/05/03
故郷の福井県から駆け付けた両親と当選を喜ぶ岩田克彦さん(中央)=千葉県富里市内(左側写真)

岩中伸司県議(左)と二人三脚で闘って勝利した渡辺雄一さん=熊本県荒尾市内(右側写真)

  
 衆参補選と統一自治体選後半戦は、立憲野党に厳しい結果となった。衆院補選は自民党が1議席増の3名当選、1名は維新が確保。参院大分補選も立憲前職が自民新人に競り負けた。自治体選後半戦で新社会党現職は議席を維持したが、新人は全員当選とはいかず、世代交代の課題が続く。暮らしと人権破壊・戦争への道をひた走る岸田政権への闘いをさらに強めよう。

    衆院千葉5区は立憲民主と共産との調整もなく、加えて維新と国民民主も候補者を立てるなど、自民前職がカネの問題で辞職した好機を生かせなかった。

    参院大分補選は、4年前に野党統一候補として、安倍元首相補佐官を破った安達澄氏が知事選挙立候補で生じた欠員。比例から選挙区に鞍替えを図った吉田忠智氏を立憲野党が一丸となり、自民候補と全面対決、341票差で惜敗だった。

    衆院補選では和歌山1区で維新が初議席、山口2区と4区は自民が維持した。この結果は、立憲野党の共闘と統一候補づくり、立憲民主党の岸田政権との鮮明な対決姿勢が欠かせないことを示した。
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      自治体選では社民党などとの相互協力関係ができたが、新社会党の新人当選は4名、世代交代の課題が続く。現職者はほぼ議席を守ることができた。

    公認の新人当選は熊本県荒尾市の渡辺勇一さん、推せんでは北海道占冠村の小尾雅彦さん、千葉県習志野市の佐藤まりさん、富里市の岩田克彦さんにとどまった。空白議会を埋める新人と、習志野を除く現職後継の新人は届かなかった。

    当選した渡辺勇一さんは「初めてのことで困惑ばかりだったが、岩中県議はじめ皆さまの協力があったからこそ闘い抜けた。地域を回る中で得られた市民の皆さまの声や、解決すべき課題を市政に届ける」と決意を語った。

    習志野市で当選した佐藤まりさん(3面に写真)は、「4カ月前までは親の介護をしながら、派遣登録をして非正規雇用者として働いていました。コールセンターで政府事業に関する数千件の問合せを受け、テレビの中の政治家と私が実際に聞いた声とのあまりの温度差に驚いたのがきっかけ」と立候補の原点を語り、「市民生活の不安をなくし、信頼される政治を目指す」と熱く初心を語った。

    地縁血縁が全くなく、「ゼロからのスタート」で初当選した富里市の岩田克彦さんは、成田空港騒音問題などの市民運動で培った経験が新風を起こして当選を勝ち取った。 

      統一自治体選は終わったが、「私の街から政治を変える」運動は続く。勝利したか否かにかかわらず今後に向けて各種の運動をつくり、かかわって次を目指す運動が始まる。