今週の新社会

闘い続く
辺野古訴訟
県敗訴確定

2023/09/13
再度、不承認を
市民ら玉城知事に要請

    辺野古新基地建設予定地(沖縄県名護市)の大浦湾で発覚した軟弱地盤改良に係る設計変更を認めなかった沖縄県の判断を巡る2件の訴訟で最高裁は8月24日、9月4日と相次いで県側の上告を棄却、県側の敗訴が確定した。基地建設強行を容認する最高裁は、三権分立を放棄した。しかし、県が敗訴しても軟弱地盤は無くならないし、設計変更しても基地建設は不可能だ。

    8月24日の最高裁決定に対して28日、那覇市の県庁前広場ではオール沖縄会議のメンバーら約300人が抗議と、玉城デニー知事を励ます緊急集会を開いた(写真)。 

   「県民の民意を背景に、法と科学に基づいて国の設計変更を不承認とした玉城デニー知事の判断を強く支持」する「辺野古新基地を造らせないオール沖縄会議」共同代表の稲嶺進前名護市長は、「私たち、うちなーんちゅはこれ以上基地に苦しめ続けられたくない。心を一つにして頑張っていこう」と呼びかけた。同会議は5日も抗議集会を開いた。 

    玉城知事は今回の判決で厳しい立場に立たされている。一方、沖縄防衛局は護岸で閉め切る前は海を汚染させないため埋立て用土砂の細粒含有率を10%にしていたのを40%に緩和、汚染お構いなしだ。 

    こうしたことから、知事の姿勢次第で国は南部の遺骨まじりの土砂を埋立てに平然と使うだろうし、キャンプシュワブ等で抗議する人々の強制排除に乗り出しかねない。さらに、国民の血税が無尽蔵に投入される。 

    設計変更を一度認めれば、県として取りうる手段は無くなる恐れがある。そうした事態を懸念する沖縄平和市民連絡会、沖縄環境ネットワークなど10団体は28日の集会後、知事に次の要望書を提出した。 

   今回の最高裁判決は当時の不承認理由に関する判断であり、別理由での再度の不承認や、まして、新たな事由による埋立て承認の再撤回は判決に拘束されないので、①設計変更申請を承認することなく、再度の不承認、または、埋立て承認を再撤回すること、②その検討のために有識者による第三者委員会を設置することを求める。 

   辺野古新基地建設を巡る攻防は、再び大きな山場を迎えている。