今週の新社会

安保理の即時停戦 決議案
米が拒否権を行使
止まらないガザの虐殺

2023/12/20
ガザの停戦と解放を求めて連日行われたハチ公前集会=12月7日、東京・渋谷駅前


     イスラエルがガザ地区南部に侵攻し、パレスチナ人追い出しの意図が鮮明になった。やまないイスラエル軍の蛮行と大量虐殺に、グテーレス国連事務総長は12月6日、安全保障理事会に国連憲章99条(注)に基づく書簡を送り停戦に向けた行動を要請した。

     グテーレス氏は、書簡でガザの状況を「急速に大惨事へと悪化している」、「(社会秩序が)間もなく完全に崩壊」すると指摘。「パレスチナ人全体、そして地域の平和と安全に取り返しのつかない影響をもたらす可能性がある」「そのような結果を何としても回避しなければ」と訴えた。 

     一方、イスラエルのネタニヤフ首相は12月5日、「圧勝するまで戦い抜く」と国際的な停戦要請を無視。イスラエル軍は6日、ガザ南部最大都市ハンユニスを包囲した。 

    8 日( 日本時間9日)の国連安保理は、アラブ首長国連邦が主導、100カ国以上が共同提案したハマスの人質解放と即時停戦を求めた決議案は、米国の拒否権行使で否決された。15理事国のうち、英国は棄権、日本など13カ国は賛成した。米国の拒否権行使は10月18日のガザ戦闘一時停止要請の決議案に続く2度目だ。 

   「ジェノサイド犠牲者の尊厳を想起しその犯罪防止を考える国際デー」の12月9日、グテーレス事務総長は、「私たちは依然として、この非人道的犯罪の絶えざる脅威に直面し続けている」とし、条約に込められた「私たちの決意を具体的な行動へと移し、ジェノサイドの犠牲者と生きのびた人の記憶を、永遠に心に刻もう」と呼びかけた。

 (注)国連憲章99条は「国連事務総長は国際社会の平和と安全の維持に脅威となる事項について安全保障理事会に注意を促すことができる」と定める。


パレスチナ解放まで!
各地で連帯行動

     
東京・渋谷のハチ公前広場と広島市の広島平和記念公園で、12月3日から1週間、パレスチナ・ガザへの連帯デモが行われた。 

      ハチ公前広場では、「学生若者有志の会」などがスタンディングとコールでアピール。ガザで死亡した人々の名前を書き連ねた横断幕を掲げ、パレスチナが解放されるまで決して諦めないと訴えた。 

      また、国会正門前では10日、「パレスチナに平和を!緊急行動」が呼びかけた「パレスチナに平和を!日本政府は停戦を実現させろ!国会正門前大行動」が全国アクションの一環として取り組まれ、停戦決議を葬った米国に抗議、1日も早い停戦を求めた。