今週の新社会

イスラエル製攻撃型ドローン
ガザで実証済み

2024/03/27
防衛省 導入を検討
やめよ!の声を
 

  イスラエルのガザ大虐殺に対する国際司法裁判所(ICJ)の「暫定措置命令」(1月)の「誠実な履行」を上川陽子外相が求めている中で、防衛省は小型攻撃型無人機(攻撃型ドローン)の実証試験のため、イスラエル製兵器の購入を計画していることが判明した。 

  「大軍拡と基地強化にNO!アクション2023」が2月20日、防衛省交渉を行った際、同省は「無人アセット防衛能力」の名目で23年度予算に計上している「小型攻撃用UAV(無人航空機)」(30億円)、「多用途/攻撃用UAV」(69億円)の「運用実証」について1月に選定した無人攻撃機の候補機名を公表したと、武器取引反対ネットワーク代v表の杉原浩司代表がブログで明らかにした。 

  選定された攻撃型小型ドローンは5機中4機、多用途ドローンは2機中1機がイスラエル製。杉原代表は、「選定した1月はガザに対するイスラエルの攻撃が激化していた時で、およそあり得ない決定だ」と批判している。 

  伊藤忠商事は2月5日、子会社日本エヤークラフトサプライを通して、イスラエルの大手軍事企業エルビット・システムズ社との協力覚書を終了させると発表した。終了は、イスラエルのジェノサイドを防止するあらゆる措置を命じたICJの暫定措置命令と、命令の「誠意ある履行」を求めた上川外相の談話による。 

  民間企業はイスラエルの軍事企業との取引がジェノサイドの共犯となり、企業イメージが損なわれると判断。一方、政府・防衛省は、イスラエル製武器の能力はガザの戦闘で実証済みと判断したのだ。 

  参院防衛外交委員会で3月12日、共産党の山添拓議員がこの問題をただし、防衛装備庁は機種選定について「実証で求める機能と性能を満たし、一般競争入札で行った」と答弁。しかも、図にあるように落札額が「1円」という異常なものもある。 

  杉原代表は、「3月末までに製造国(イスラエルなど)のテストフィールドで実証試験を行い、結果の報告を出させ、しかるべきタイミングで機種の絞り込みも含めた本格導入の決定を行う流れ」と指摘。防衛省などに対し、導入するなという運動を盛り上げる構えだ。