イチオシ

カジノ是非 市民が決める 
成功へ横浜で集会 住民投票条例制定請求署名スタート

2020/09/08
 カジノの誘致に反対する横浜市民は8月22日、市がカジノ・IRの設置を目論んでいる山下ふ頭の喉元・山下公園に結集して、「住民投票で市民のカジノ誘致の賛否を間う住民投票条例」の請求を目指す集会を開いた。9月4日に条例制定を求める署名が開始した。

 林文子市長は昨年のこの日、「カジノ誘致」の記者会見を行ったが、1年目に開かれた


「カジノの是非は市民が決める」と
住民投票条例請求書名の成功へ800人が気勢を上げた


集会は、新型コロナウイルスが蔓延する中、参加者は「三密」を避け、検温をし、ソーシャル・ディスタンスを取りながら800人が参加して開かれた。

 住民投票の実現を目指す集会の主催者で、「カジノの是非を決める横浜市民の会」の運営委員長の岡田尚弁護士は、「昨年のこの日は、2017年夏の市長選で『カジノ問題は白紙』を掲げて当選した林市長が市民を馬鹿にし、裏切った日」と振り返るとともに、「大事なことは私たちの意見で決めるということが、この運動の根幹だ。皆さんの怒りを9月4日からの署名運動に集中しよう」と呼びかけた。

 横浜港の港湾運送事業者でつくる「横浜港ハーバーリゾート協会」事務統括の水上裕之さんは、「これまでカジノに頼らない山下ふ頭の″ハーバーリゾート構想″という再開発を横浜市に提案してきたが、全部無視された」と訴え、「ここ(山下ふ頭)をカジノIRにするならば、われわれは居座って抵抗する」と強い言葉で決意を示した。

 この集会に賛同した、立憲民主党神奈川県連代表の阿部知子衆院議員、共産党の畑野君江衆院議員、社民党を代表して森英夫さん、神奈川ネット運動代表、新社会党県本部の小川良則書記長、緑の党県共同代表の石崎大望さんらが次々と登壇して、コロナ禍で「カジノの誘致は考えられない」と強調するとともに、「住民投票を成功させよう」と呼びかけた。

 「アイドルグループ「モーニング娘」元メンバーの市井紗耶香さんも応援に駆け付けた。他に労働組合の3団体から決意表明があり、最後は横浜市の18区の代表者がステージに登壇し、参加者全員が「林市長は勝手に決めないで」と書かれたプラカードを掲げシュプレヒコールを繰り返して気勢をあげた。最後は「団結ガンバロー」で閉めた。

 「市民の会」では当初、4月から署名を集める予定だったが、新型コロナウイルスの感染拡大で開始時期を延期した。住民投票条例を直接請求するには、有権者の9万人以上の有効署名を2ヶ月以内に集める必要がある。「市民の会」によると、署名活動を担う「受任者」は集会開催次点で約4万3千人。

 ある受任者は、「賭博であるカジノは要らない。横浜市民はもちろん、横浜市以外の皆さんも住民投票条例の成立にご協力を」と訴えていた。